50代ですが、糖尿病で10年前から薬を服用しています。障害年金は受け取れますか?
まず、糖尿病だけでの認定基準(第15節代謝疾患による障害)があり、認定要領に「血糖のコントロール状態そのものの認定もあるが、多くは糖尿病合併症に対する認定である。」とあります。
必要なインスリン治療をおこなってもなお血糖のコントロールが困難なもので次のいずれかに該当するものを3級とします。
※検査日より前に90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることが確認できた者に限る。
ア 内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値 が 0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
イ 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上ある もので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
ウ インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による 入院が年 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
私の経験でいうと、やはり合併症によって請求される場合が多いです。糖尿病性網膜症、糖尿病性壊疽、糖尿病による腎疾患からの人工透析をされた方などです。
障害者手帳と障害年金
障害者手帳と障害年金は=(イコール)ではありません。
障害者手帳を持っているからといって障害年金を受給できるわけではありません。
障害年金には初診日を確定させること、請求可能な年齢か、初診日前に保険料は払っているかなどの諸条件があるからです。
たとえば、心疾患で人工弁をしていて働いている場合の方ですと、手帳が何級であろうと年金は3級が想定できます。
眼の疾患で5級の手帳所持者でも、年金は3級以上になる場合も多いです。
とはいえ、相談される時手帳を所持している、手帳の診断書のコピーを持っていると相談される方も参考にしやすいですし、すべてがそうではありませんが、障害年金について相談される時、すでに手帳を持っている方が多いです。
ちなみに精神疾患で年金が決定した方が手帳を持っていない場合、役所で手続きすることによって、同等級の手帳が発行されます。
Q 私の請求は障害厚生年金で出来ますか?
転校した先の中学校になじめず、一時不登校でしたが、高校に入学してからはありません。
学卒後、勤めた会社で、仕事が忙しく、精神的にダメージを受けて、一旦退職しました。退職後心療内科に行ったところ、抑うつ状態と言われました。
その後、転院先で検査をして、自閉症スペクトラム障害と診断されています。
会社も転職して今は厚生年金に加入しています。半年くらいで
また落ち込みと不眠に悩み、現在2週間の休職中です、働いていても障害年金は請求できると聞きました。
今の会社で1年6か月経てば、障害厚生年金を請求できますか。
なお、最初の心療内科から通院は続けて薬を服用しています。
(令和3年8月現在)
A 初診日、認定日の考え方
初診の心療内科以来、ずっと通院を続けて薬を服用しているのであれば、初診は心療内科の時で国民年金加入時です。初診を動かすことはできません。
社会的治癒などの例外はありますがあなたの場合はあてはまらないようです。
現在の病院と傷病名が異なるのは診断名の変更と推察されます。
請求する場合は障害基礎年金での請求になります。
また、認定日についても、循環器内科に通っていて、2年後悪化して、人工弁などを挿入してそが認定日になるのかと、認定日の特例を知って質問される方がいらっしゃいますが、すでに初診から1年6か月経っているので1年6か月が認定日となります。
Q 現在、週3回コンビニでアルバイトをしています。
これから発達障害で障害基礎年金を請求しようと思っていますが、働いていると無理ですか?
A:以前行政の窓口、病院の相談員、支援施設、社労士と各方面に相談されても、答えはまちまちだったんではないでしょうか?
また、社労士も自分が経験のあるケースで実感に基づいて返事しかできないと思われます。
なので、私も経験に基づいてお話しますと、この方の場合、コンビニでの週3回程度のアルバイトであれば受給に支障はないと考えます。
ただ端的に言ってしまえば、ケースバイケースでおひとりおひとり事情を詳しく聞かないとお答えできませんし、聞いても決定まで返答できない微妙なケースもございます。
まず外科的な傷病と内科的な傷病であると外科的なものは影響を受けにくいと思います。
又数値などで決められるものは、数値が等級を示している以上、働いていても認められると存じます。
認定基準に人工透析は2級と明示されているものも影響を受けないと思います。
私が代行した方たちはフルタイムで働いていても大丈夫でした。
また、肢体の場合は、機能の障害などで疼痛で苦しんでいても何とか働けていれば
診断書内容が厳しい内容になると予想されます。
就労と障害年金~精神疾患
一番考慮されるのは精神疾患です。精神疾患の診断書には就労状況を記載する欄がございます。
任意の項目ですが、私の場合は請求までの期間に間に合えばお医者様に渡す資料に載せています。
障害等級3級の程度が、「労働に著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を受ける」とありますから3級の認定では仕事を全面的にやめている必要はないと私は考えます。
結局勤務時間数と収入額が考慮されると思っています。仕事の内容も関係する
こともあると思います。
今は仕事をやめていたり、パートタイムで週何回かの方が現症では認められてもフルタイムで年収がある程度高い時期の認定日に関しては難しいです。
就労継続支援事業所に行っている方は働いていることを気にすることはないと存じます。
しかし、フルタイムで障害厚生年金2級を受給した方もいますし、審査する側は診断書や申立書をよく見て総合的に決定するようです。
就労といいますが、株や仮想通貨の取引などされて収入のある方は
どうでしょう?
ケースとして少ないのでまだわかりません。
また、受給してから仕事を見つけるケースもあるでしょう。それはまたこの次に。
令和3年5月現在の所感です。
今後また、変わっていきます。
その間に認定基準も改定されたり、
認定医によっても見方が違います。
トライ&エラー、当事務所では
常にリサーチして
ブラッシュアップさせていきます。
Q お酒の飲みすぎで体を悪くし、入院しました。
肝硬変と診断されています。
お酒のせいでの障害年金の
請求は難しいと聞きました。
受給は無理ですか?
A.アルコール性肝硬変の場合、
認定基準には
「継続して必要な治療を行って
いること及び検査日より前に180日
異常アルコールを摂取していないこと」
と書かれております。
診断書に記載欄がありますので、
見落としのないよう書いてもら
いましょう。
元々お酒が原因だったとしても
その後アルコールを断ち
治療をきちんと続けていれば
大丈夫ですが、アルコールが原因の
方は初診日が古い方が多いので、
初診日や納付要件も証明することが
肝心です。
Q てんかんの診断書を依頼したら、診断書裏面に「全部できる」とありました。受給はむずかしいですか?
A てんかんの認定基準はまず発作のタイプと頻度です。
それに日常生活状況の能力や程度を加味し総合的に判断されると思われます。
年に2~3回意識を失うほどの全身発作で倒れ、入院して数日休んでも、普段はフルタイムで勤務できているから、それ以外では発作はおさまっていると精神の診断書裏面を「全部できる」、「社会生活は普通にできる」と診断書を作成されるお医者様はかなりいらっしゃいますが、3級や2級の可能性は大いにあります。
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普段の受診時から、お医者様に自分が日常生活でいかに困っているかということを適切に伝え続け、病歴・就労状況申立書にも丁寧に書き込んでいくことです。
自分たちで請求されてダメだった方の依頼をよく受けますが申立書の書き方がお粗末です。
(中には丁寧にちゃんと書かれているのに残念だった方もいるのですが。)
当事務所では病歴・就労状況申立書に特に力を入れています。
また、たまに申立書の記入だけ、申立書のチェックだけ、の依頼がありますが、当事務所では、お断りしています。
すべてを把握し詳しくお聞きしなければ責任を持って代行できないからです。
請求書1枚にも書き方があるのです。
Q 事後重症請求で障害基礎年金2級になりました。その後、認定日当時の医療機関で診断書を
書いてもらえることに
なったのですが?
A 去年現在の状態の診断書しか
入手できず、事後重症請求して
決定したけれど、
認定日当時も状態は今と変わらず
良くなかった、一旦はあきらめた
けれど、当時の主治医が書いて
くれると病院から
知らせが来た。
・・・たまにこういう例はございます。
精神疾患に多いです。他の傷病なら
最初から遡及請求や認定日請求している
ケースが多いからです。
今回(令和3年5月現在)、事後重症で
決定された方の、認定日当時の診断書が
入手出来て請求し、一般的な請求の時より
認定にちょっと時間を要しましたが、
無事決定しました。
遡及と言っても1年余りだったこと、
あまり症状の変わらない傷病の特徴が
あったこと
それを認定側の方でも汲み取ってくれた
のだと思います。
なかなか難しい面もありますが、
やってみる価値は
あると思います。
Q 慢性疲労症候群、化学物質過敏症の初診日は?
※令和3年8月厚生労働省から
上記の事務連絡がありました。
まだ、出たばかりなのですが、
今後は上記の初診日の方向になるかと
存じます。(令和3年9月1日現在)
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「いろんな病院に通院しましたが、
やっと病名がわかりました」
A ケースバイケースですが、
最近は確定診断した医療機関が
初診となる傾向が多いです。
それゆえ、医療機関も慢性疲労
症候群や化学物質過敏症に実績が
あり、診断書作成に理解のある病院を
受診することが大事かと思われます。
(上の記事をご参照ください。)
当事務所でも両方とも何件か
代行させていただき、
無事受給されております。
Q うつ病での受給はむずかしいのですか?
A たまにこう聞かれます。
障害年金業務をしている社労士にさえ
「気分障害では無理」と言われたことも
あります。
当事務所で扱った精神疾患の依頼では
うつ病や気分障害、気分変調症、
発達障害の方も受給されているので、
病名の違いによる実感はないです。
診断名が統合失調症や双極性障害だと
通りやすいというイメージが先行
しているようです。
しかし、結局要はいかに「日常生活に
困っている」ことが重要なのでは
ないかと思います。
Q 障害基礎年金を受給していますが、10年短縮で何か変わりますか?
64歳から障害基礎年金2級受給中の
68歳の者ですが、老齢年金は
受給資格期間が足りなくて、現在
受給しておりません。
若い頃厚生年金に5年加入、
国民年金と合わせて
受給資格期間は16年ほどあります。
今年8月からの10年短縮で
何か影響ありますか?
A 障害基礎年金の受給者に
厚生年金の加入期間がある場合、
65歳から老齢厚生年金を合わせて
受給できます。厚生年金加入が
5年あるのであれば受給できる
年金額は増えます。
(詳しいことはご相談下さい、
又はお近くの年金事務所へ)